映像業界における性加害・性暴力をなくす会

映像業界における
性加害・性暴力をなくす会

Association to end sexual abuse
in the film and moving image industry

共同声明

映像業界における
性加害・性暴力
をなくすために

私たちは、映像業界における性加害・性暴力の被害者とその支援者です。

声をあげることは容易ではなく、これまで私たちはそれぞれの不安と葛藤の中にいました。ですが、目的地を同じくする方々と連帯できるのなら、一歩を踏み出せるかもしれない。そんな思いを込めて、私たちはこの声明を発表します。

2022年3月10日の週刊誌報道で映画監督による性加害・性暴力が明るみになり、以降、複数の俳優、上記とは別の映画監督、映画プロデューサーなどによる性加害・性暴力の告発が立て続けに報道されました。その他にも、各媒体、SNSなどで映像業界に存在する多くの性加害・性暴力の被害を訴える声があがり続けています。

映像業界における性加害・性暴力は、地位・関係性を利用したエントラップメント型が多く聞かれます。人事権を持った監督やプロデューサーが、キャスティングを条件に俳優に性行為を迫るなどといった行為がその一例です。強要される側は、断ったり拒んだりすれば「クビにされるのではないか」「今後仕事を回されなくなるのではないか」「現場の和を乱すのではないか」といった不安を覚え、沈黙を強いられます。また、こうした事例を指して「枕営業」などという加害者に都合のいい言葉を使う光景も繰り返されてきました。明白な加害・被害にもかかわらず、あたかも被害者が自ら望んでしたかのように第三者が言うことは侮辱であり、問題をひどく矮小化することにも繋がります。
煽情的な用語や見出しを用いてSNSに書き込んだり報道したりすることも、二次加害を生み出す要因となっています。被害者を特定しようとしたり、被害当事者に加害した人物が誰なのかを問いただしたりするような行為も、被害者を苦しめる二次加害のひとつです。

制作スタッフにおける性加害・性暴力の事例もあとをたちません。上下関係や会社間のパワーバランス、ジェンダーギャップなどを背景に、加害側の横暴を許す制作体制がパワハラを生み出し、その延長線上に性加害・性暴力が起こります。そのため被害を訴えても、取り合ってもらえず、封じ込められて泣き寝入りするひとが多く存在します。それらの根底には、映像制作の過酷な労働条件・労働環境などの問題が横たわっています。極端な過労と睡眠不足によって、気力も体力も失われているところに加害者がつけ込むなど、劣悪な労働環境が性加害・性暴力の温床ともなっているのです。

性加害・性暴力による被害当事者には、心的外傷によるストレスに現在進行形で苦しめられているひとも少なくありません。加害者や第三者にとっては過去の出来事でも、被害者にとっては消し去ることのできない、継続した苦痛です。忘れてしまいたい過去を思い出し、他者に伝える行為には大きなエネルギーを必要とし、被害者をさらに追い詰めます。

被害者の中には、長い間、自分の身に起こったことが性加害・性暴力であったと認識できないまま過ごしてきたひともいます。自分のせいではないのに自分のせいだと責め続けてきたひともいます。誰かに相談しても、口外しないよう諭されたり、法的にどうにもならないから諦めるよう言われたり、善意のアドバイスによって黙らされたり、悔しい思いをしてきたひともたくさんいます。「自分の経験は他のひとに比べたら大したことないのでは」と、口を閉ざしてしまうこともあるかもしれません。声をあげたくても様々な理由によって泣き寝入りを強いられているひとたちが、多く存在しているのです。それぞれのケースを比較して被害を矮小化することはできません。被害当事者の心は、医療の診断基準や司法判断をまたずとも、あるいはそれらの判断いかんにかかわらず、傷ついていることに変わりはありません。

私たち業界関係者は、こうした被害・加害の数々を知りながら「芸能界ではよくあること」と感覚を麻痺させ、ハラスメントに加担してはいなかったでしょうか。「黙認」や「見て見ぬふり」といった形で、加害を助長してはいなかったでしょうか。加害が明らかになった後でも、加害者がその立場を失うことなく起用され続けることは、加害を擁護することに繋がり、その二次加害によって被害者の回復は妨げられます。加害者と利害を共有することの責任についても、無自覚ではなかったでしょうか。 私たちは、被害を受けるひと、被害を受けて泣き寝入りするひとを、これ以上、ひとりたりとも増やしたくありません。

性加害・性暴力・二次加害が、当事者だけの問題ではないと広く認識されることを私たちは望んでいます。現在の日本では、性暴力の加害者が罰せられにくい法制度であることも指摘されています。多くの被害がいまだに「ないもの」とされているのです。映像業界における性加害・性暴力を可視化し、撲滅するための実態調査に加え、しかるべき第三者機関の設置が必要であると考えます。

私たちは、今起きている問題だけではなく、過去に起きた問題についても相談ができ、本音で話し合える環境づくりを目指していきたいと考えています。お互いが尊重し合える関係性のもと、問題が起きない環境を築き、誰もが安心して働くことのできる日が一日でも早く訪れるよう――みなさんと共に連帯できることを心から願っています。

映像業界における性加害・性暴力をなくす会〈映像業界における性加害・性暴力をなくす会〉 Association to end sexual abuse in the film and moving image industry

石川優実(俳優、アクティビスト)
牛丸亮(俳優、映画監督)
呉美保(映画監督)
加賀賢三(映画監督)
川上拓也(録音)
桜木梨奈(俳優)
東海林毅(映画監督)
睡蓮みどり(俳優、文筆家)
千尋(俳優)
羽賀香織(美術)
早坂伸(映画カメラマン)
港岳彦(脚本家)

賛同者

秋元剛(俳優)
石田夕理(女優)
上埜すみれ (俳優)
演劇・映画・芸能界のセクハラ・パワハラをなくす会
小野晃太朗 (劇作家・ドラマトゥルク)
金子雅和(映画監督)
川口 とも (俳優)
北村味加(俳優)
熊谷睦子(ムービー・アクト・プロジェクト)
倉田健次(映画監督・脚本家)
こだかさり(監督)
小濱 香織(リトミック講師)
小原徳子(俳優)
佐々木誠(映像ディレクター/映画監督)
下社敦郎(映画監督、映画音楽家)
一般社団法人Japanese Film Project
白石和彌(映画監督)
高橋秋人(俳優・メイクアップアーティスト)
田中円(劇作家・演出家・俳優)
知乃(俳優)
塚本晋也(映画監督)
トム・メス (日本映画研究者)
トヨザワトモコ(俳優)
TremendousCircus(劇団)
西山ももこ(インティマシーコーディネーター)
林あゆみ
原田耕治(プロデューサー)
広瀬奈々子 (映画監督)
舩橋淳(映画監督)
古澤健(映画監督)
細川唯(俳優)
宮澤もえみ
望月葉子(俳優)
ヤン ヨンヒ(映画監督)
葭本未織(劇作家)
REBEL FILM

敬称略。お名前は50音順

(2022年5月2日現在)

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    初出掲載:2022年4月27日
    最終更新:2022年4月27日

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